日本先進糖尿病治療研究会は、立場が異なるものが共通の
先進的な糖尿病治療の理解と実践能力の向上を目指す
というコンセプトの下に活動する研究会です。
「超速効型インスリン製剤(アピドラ®)のC S I I における
使用調査実施要綱」
アピドラC S I I 調査ワーキング委員
鴨井 久司, 今村 洋一
はじめに
現在、日本でのC S I I 療法では超速効型インスリンを使用する例が多い。
この度、亜鉛を含まずまたインスリンの効果発現がより速いとされる超速効型インスリン製剤(アピドラ®)が許可され使用できるようになった。そこでインスリン作用の立ち上がりの速さが血糖コントロールにより良い影響を与えることも考えられるため、この薬剤と従来の亜鉛を含む超速効型インスリン製剤が血糖コントロールに及ぼす効果の差異を明確にすることはわが国のC S I I で治療中の患者さんにとって有益であると考える。
本調査は、1型糖尿病患者に対する本剤のC S I I における使用実態下における安全性、有効性に関する情報を収集し、以下の事項を把握することを目的として実施する。
安全性解析対象症例として50例を目標症例とする。
<対象患者>
現在C S I I 療法中で、本人の同意が得られ、主治医が適当と考える患者
<除外基準>
‐本研究の参加に対して説明の上、同意が得られない患者
‐過去6か月以内に重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡などの
既往のある患者
‐重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者
‐妊娠又は妊娠の可能性のある婦人および授乳中の患者
‐その他主治医が研究参画に不適切と判断した患者
<中止基準>
1. 本試験において患者から中止の申し出があった場合
2. 本試験において患者に著しい高血糖や低血糖を認め主治医が本試験の継続が
困難と判断した場合
3. 本剤に対してアレルギー反応が認められた場合
あおぞらクリニック、NTT東日本東北病院、大阪市立大学、(公財)冲中記念成人病研究所、小千谷総合病院、木戸病院、久留米大学、神戸大学医学部附属病院、(独)国立病院機構 京都医療センター、五星会菊名記念病院、埼玉医科大学、昭和大学病院付属東病院、市立札幌病院、心臓病センター榊原病院、東京都済生会中央病院、東京慈恵医科大学、東芝病院、徳島大学、名古屋大学、奈良県立医科大学、日本大学病院、兵庫医科大学、山口大学(五十音順)
ただし、上記以外の施設でも本研究に参加の希望があれば、随時受け付けるものとする。
本研究は日本先進糖尿病治療研究会が主催し、その研究会内にワーキンググループを設置し、実施にあたる。本研究の事務局はあおぞらクリニックに置くこととする。
まずは参加登録患者を募集します。
本研究にご興味のある方は下記までご連絡ください。
〒849-0101 佐賀県三養基郡みやき町大字原古賀1068-4
糖尿病内科 あおぞらクリニック
今村 洋一
TEL 0942-94-9811
FAX 0942-94-9822
診断名、入院・外来の区分、性別、生年月日、罹病期間、既往歴、合併症の有無とその内容(疾病名と既往歴・合併症の区分)、アレルギー要素、医薬品副作用歴、
持続皮下インスリン注入ポンプ使用中の1日投与量、基礎注入量および時間、追加注入の量および投与時間、投与開始日、補正インスリンの有無および頻度、Square-waveあるいはDual-wave bolusの使用頻度およびその詳細。
現在使用中の持続皮下インスリン注入ポンプの種類、使用期間、カテーテルの種類および交換頻度、カテーテルの閉塞の有無および頻度、注入部位の障害の有無および内容
インスリン製剤名、投与時期および投与量、投与期間
薬剤名、投与経路、1回投与量、投与回数、投与期間、使用理由
(投与前、投与開始後4週、8週、12週、16週、20週、24週、あるいは中止・脱落時)
薬剤の投与遵守状況、運動療法の指示および遵守状況、食事療法の指示および遵守状況、過度のアルコール摂取(注1)の有無
(注1):1日当りの純アルコールとして平均50g(ビール中ビン3本、日本酒3合、ウィスキーダブル3杯)を超える飲酒習慣がある場合を過度の目安とする。
血液(赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、白血球、血小板数)、血液生化学(総コレステロール、トリグリセリド、AST、ALT、γ-GTP、A1-P、LDH、総ビリルビン、BUN、血清クレアチニン)、尿(糖、蛋白、ケトン体)(臨床研究開始時、3か月後と終了時) HbA1c、空腹時血糖値、随時血糖値および測定時刻(食事からの時間)、1,5AG (毎月) 血圧、体重、その他有害事象と考えられる異常変動の有無
抗インスリン抗体(臨床研究開始時、3か月後と終了時)(SRLにて測定)
また、自己血糖測定のノートにインスリンポンプの注入回路の交換日時が分かるようにしてください。自己血糖測定は最低、各食前と眠前の4回とし、可能であれば週1回各食前、食後2時間、および眠前の7回測定をお願いします。
1. 低血糖症
2. その他の有害事象
本研究にあたり当該の臨床研究における健康被害については、事務局を通じて参加した被験者は損害保険ジャパンの賠償責任保険に加入することとする。
血糖値、(空腹時、および食後2時間)、低血糖の頻度、HbA1c、1,5AG、体重、血圧、インスリン抗体を2群間で比較検討する。
最後に
これらの調査は実臨床下の前向き研究であるので、計画については必ず各医療機関の治験審査委員会(IRB)の承認を得てください。
また、今回の研究結果は、当研究会および日本糖尿病学会での発表および当研究会の雑誌に掲載を予定しています。
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